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【相続法改正詳解・第1弾】 自筆証書遺言が手軽に書けるようになった?

皆さまこんにちは!
小野市のあじさい法務事務所、行政書士の岡田です。

さて、数年前より平成の相続法大改正が段階的にスタートし、
改正法が完全施行(新しい制度の適用)されておよそ一年が経ちました。

配偶者居住権の創設や自筆証書遺言の作成方式緩和などは話題になっていますが、
他にも細かな項目で多くの改正が行われました。

まだ改正内容をよく理解できていない方もいらっしゃると思いますので、
今回から「相続法改正詳解」と題して、シリーズで相続法改正のお話をしていきます!
毎回、一つのテーマを掘り下げて解説していく予定です。

本日は第1弾として、「自筆証書遺言の作成方式緩和」について取り上げます。

目次

1、自筆証書遺言の成立要件とは・・・

遺言書を自書する高齢男性

はじめに、以前の自筆証書遺言の成立要件を確認しましょう!

自筆証書遺言は文字通り、基本的には「遺言者本人が自書して作成する遺言書」です。
そして、有効な遺言書として成立させるには、
遺言者本人が遺言書の全文、日付及び氏名を自書して押印をする必要があります。

これを細かく見ていくと4つの要件に分かれます。
それぞれ有効・無効なケースがありますので、一つ一つ解説していきたいと思います。

①遺言書の全文を自書すること

以前は、「長男に自宅を相続させる」などの遺言本文の内容、氏名、日付を含め、全て自書が必要でした。

この全文を自書するという要件がご高齢の方にとってハードルがとても高く、
本文の記載ミス・不備を招く原因となっていました。

例えば、「自宅を長男に相続させる」と記載する場合、
自宅の場所が特定できるよう不動産登記簿通りに所在や地番を記載することとなります。

正確な地番が1202番のところを、
間違って1102番と書いてしまうと自宅の特定をすることができません!
このように不動産の所在や地番を記載する時に、間違えるケースが非常に多いです。

細かい財産明細を自書するという点が、自筆証書遺言作成の負担となっていました。
この点が相続法改正により緩和されましたので、後ほど詳しく解説します。

②作成日付が記載されていること

令和3年4月8日と具体的な作成日付を記載するほか、
「還暦の日」や「長野オリンピックの開会式当日」という記載でも有効となります。

具体的な日付の記載がなくても、
還暦の日やオリンピックの開会式は何年何月何日と特定することができますね。
このように、客観的に日付が特定できる記載であれば有効と判例で認められています。

では、「令和3年4月吉日」という記載はどうでしょうか?

お手紙に吉日と記載する方も多いと思いますが、
遺言書には絶対に「吉日」と書かないでください!!

「令和3年4月吉日」は、年月は確定していますが日にちだけ特定できませんよね。

日にちが特定できない・・・
これだけで「日付があること」という要件を満たしいないこととなり、
自筆証書遺言それ自体が無効となってしまいます!!

日付は自筆証書遺言成立の重要な部分ですので、日にちまでしっかり書きましょう!

③氏名を自書すること / ④押印があること

氏名は誰が作った遺言書かを特定するための重要なポイントです。

過去の判例では遺言者本人との同一性が認識できれば、
通称名やペンネームでもOKとされていますが極力避けて頂きたいです。

残された相続人が混乱しないように、
やはり、戸籍通りの漢字でフルネームを確実に記載しましょう。

それから、最後に忘れずに押印しましょう。

押印についても過去の判例では、
拇印でも可とされていますが、実印や認印を押印するようにしてください。
できれば、実印を押印し印鑑登録証明書と一緒に保管頂ければ、
遺言書を作成したという事実をより明確にすることができます!

以上の4要件をしっかり満たすと、有効な自筆証書遺言として成立します。

一つ一つの要件を見ると難しくはありませんが、
「押印を忘れた」「吉日と書いてしまった」などどこか不備があるかもしれませんので、
一つも欠けることなく記載するように慎重に作成する必要がありますね。

2、相続法改正で財産目録の添付が認められました!

自筆証書遺言緩和方策

ここまで自筆証書遺言の成立要件を説明してきましたが、
続いて、上の4要件のうち改正があったポイントを詳しく解説します。

今回の相続法改正で緩和されたのは、①の「全文を自書すること」という部分です。

原則として、上記のとおり「遺言書の全文を自書すること」が必要ですが、
財産目録を添付する場合、「その財産目録は自書を要しない」という例外が設けられました。

つまり、遺言書にパソコンで作成した財産目録を添付しても有効となったのです!

相続法改正前は財産明細を記載することが遺言者の負担となっていたところ、
より手軽に作成できるようになり、とても画期的な制度変更だと思います。

作成した財産目録へ署名と押印をする必要はありますが、
不動産登記簿や通帳の記載通りに財産明細を書く手間はなくなりました。

また、財産目録を作成して添付する以外に、
不動産登記簿謄本や通帳コピーへ署名・押印したものを添付する方法でもOKです!
こちらの方がよりお手軽ですかね。

このように財産明細は財産目録や財産資料コピーの添付が認められ、
自書が必要な箇所が少なくなり、遺言者の負担軽減につながりました。

例えば、「長男に不動産を、二男に預金を相続させる」場合、
遺言書本文には、

①別紙一の不動産を長男に相続させる。
②別紙二の預金を二男に相続させる。

と記載して別紙で不動産登記簿と通帳コピーを添付するだけでいいのです。

最低限、「誰に何を相続させる」という項目を書くことができれば、
時間や手間をかけずに作成できるので、新しい方式での作成をお勧します!

3、まとめ

本日は、「自筆証書遺言が手軽に書けるようになりました」というお話でしたが、
作成する遺言書の種類は自筆証遺言が絶対にいい、という訳ではありません。

遺言書には大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があり、
それぞれメリット・デメリット色々あり、どちらかが優れているということはないです。
どちらも法律の様式通りに作成すれば、有効な遺言書として効力を発揮します。

では、実際に遺言書を作成すると決めた時、どちらを選択すればいいのか?

答えは、あなたに合った遺言書を選ぶこと。

「妻に全財産を相続させる」というシンプルな内容でしたら、
自筆証書遺言でも全く問題ありません。費用をかけずに作成する事ができます。

一方、相続人の数が多く、各相続人へ細かく分配するような場合は、
記載内容が複雑になってしまうので自筆証書遺言での作成はお勧めできません。

こういう複雑な内容の時は、公正証書遺言の方が適しているでしょう。
公正証書遺言は公証人という法律家が作成し、
証人2名立会のもと作成する遺言書ですので、記載ミスや不備の心配がありません。

また、病気や怪我などで全く筆記ができないという方は、
自筆証書遺言の利用はできませんので、公正証書遺言を作成するしかありません。

公正証書遺言でも基本的に署名・捺印だけは必要ですが、
病気等で筆記が不可能な時は、公証人が遺言者に代わって署名することができます。
ですので、こういう内容の遺言書を作成したいという意思表示さえできれば、
筆記ができなくても有効な遺言書を作成できるのです!

このように、遺言書を作成される方の状況によって、
どの種類の遺言書を作成するのが適しているかは全く変わってきます。

まず、どの種類の遺言書を作成しようかと迷われましたら、当事務所へご相談ください。

あなたに合った遺言書をご提案し、遺言書の内容も一緒にじっくり考えていきます!
お気軽に下記のお電話番号へご連絡ください!

お問合せ・ご相談は→0794-70-7782(行政書士あじさい法務事務所)まで。
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